お客様本位の業務運営に関する方針

お客様本位の業務運営に関する方針

2025年11月4日
立花証券株式会社

1. お客様本位の業務運営に関する方針の策定・公表等

 私たち立花証券は2025年4月に不適正な投資勧誘について行政処分(業務改善命令)を受けました。この処分を真摯に受け止め、改めてFD(フィデューシャリー・ デューティー)の精神に立ち返り、お客様の利益を第一に考え、安心して取引できる証券会社として信頼の回復に全力で取り組み、お客様最優先の組織文化への改善を続けてまいります。
 立花証券は創業以来 、「お客様第一」を経営理念に掲げ、「顔が見える専属の担当者」による対面方式にこだわり、上場株式に特化した「研究所スタイル」の「株の専門店」を標榜しています。これからも、信頼と安心を積み上げ、お客様に加え、ご家族からも選ばれる株式投資のアドバイザーを目指してまいります。
 株式市場は、お金の流れを通じて企業と経済全体の成長をもたらすインフラの機能を担っています。投資家の目利き力、洞察力が産業の新陳代謝を促し、資本の効率的な配分を促します。立花証券では、そうした資本市場の源泉力にフォーカスし、将来の日本の成長に貢献したいと考えています。
 株式投資を通じた「お客様の最善の利益」への貢献によって、社会の発展に繋がる「三方よし」の精神を追求してまいります。「お客様第一」を名実ともに実現するため、「お客様本位の業務運営に関する方針」を年に1回定期的に見直し、当該方針に係る取組状況を公表いたします。

2. お客様の最善の利益の追求

 立花証券はお客様の「最善の利益」を、投資による利益の追求だけではなく、「お客様の安心と満足度の向上」と定義しました。目に見えない、物差しでは測れない「お客様の安心と満足度の向上」を図っていくため、以下の3つの基本姿勢を掲げます。

① お客様ニーズのヒアリングとポートフォリオ提案
 お客様の「最善の利益」の実現のために、お客様の運用に対するお考えやご希望をお聞かせください。その上で、投資環境やライフステージを勘案した、オーダーメイドの「Myポートフォリオ」の提案を行います。

② お客様に寄り添う姿
 株式投資には、多くの経験、多様な情報、的確な判断等を求められます。自己責任が基本となりますが、お客様を適切にサポートするため、お客様の投資方針にそぐわない投資意向に対しては、時としてご意向に反するような助言も行い、お客様にとってより良い提案となるよう心がけてまいります。

③ 人生の変化に対応した資産運用
 資産運用は50年、100年と続く営みです。お客様のライフステージの変化に合わせて「Myポートフォリオ」を見直すことが、長期的な資産増大に結び付くと考えます。次の世代への承継も考え、お客様の安心と満足度の向上に繋がる提案を心がけてまいります。

3. 利益相反の適切な管理

 立花証券は金融グループ会社等に属さない独立系の証券会社です。投資信託等の商品の選定にあたっては、利益相反が起こらないよう適切な運用・管理を行っています。また「利益相反管理方針」において、利益相反取引の適切な管理方法を定めており、業務を通じて知り得た情報を用いてお客様の利益が不当に害されることのないよう管理しています。

利益相反管理方針の概要

4. 手数料等の明確化

 手数料は、お取引の前にお渡しする「契約締結前交付書面」、「上場有価証券等書面」、「目論見書」及び「リスクと手数料に関する書面」等をお渡しし、ご説明いたします。これらの書面で、お客様ご自身でも手数料をご確認いただけます。お客様からいただく手数料及びその他費用は、「お客様の安心と満足度の向上」を実現するための情報収集・分析、お客様のニーズ把握と提案の作成や提供及びシステム維持・更新等の費用として相応しい水準となるよう心がけてまいります。

5. 重要な情報の分かりやすい提供

 「Myポートフォリオ」を構成する個別株式においては、市場環境や個別企業についての情報が重要となります。これらを適切な説明手法や説明ツールを用いてわかりやすい情報提供に努めます。その上で、お客様の損益や取引コストの状況、お客様の資産状況の説明とアフターフォローを行います。
また、株式以外の商品において、商品設計が複雑で、コスト構造が不明瞭な商品については、「お客様の安心と満足度の向上」に繋がらないため取扱いをいたしません。

具体的な取組みについて

① 市場環境や個別企業についての情報
 個別銘柄のアナリスト・レポートのほか月刊投資情報誌「立花月報」や、毎週発行される「タチバナ・ウィークリー」等の定期刊行物やタイミングに合わせた臨時刊行物等で情報を発信しています。刊行物については平易で簡潔な表現を心がけます。
 営業担当者は、部支店毎に毎朝行う営業会議による情報収集や、企業決算の確認、経済の状況や保有銘柄情報の収集に努めています。お客様に分かりやすい表現で継続的な情報提供を行います。

② お客様の損益や取引コストの状況
 適宜、営業担当者が損益の状況、取引コストをお伝えすることでお客様がご自身の資産内容を理解しやすいようにします。

③ お客様の資産状況の説明とアフターフォロー
 お客様の資産状況を定期的に説明を行うとともに、市場環境等を考慮した銘柄の入れ替え等の提案を行います。その際も、お客様のニーズに沿ったものかどうかを常に心がけて行います。

6. お客様にふさわしいサービスの提供

 立花証券では、株式に特化してお客様の資産運用のサポートを行っています。株式は企業業績の動向はもとより、その企業が属する業界の動向や国内外の政治・経済等の情勢の変化により価格が大きく変動することがあります。そのため、以下の体制を整えることで、お客様にタイムリーな情報やサービスを提供いたします。

① 営業担当者との直通電話や立会時間中の原則在席対応(※1)により、迅速にお客様のご相談やご注文に対応できる体制を整えています。
② 定期的に投資教育セミナー・株式投資相談会を開催し、お客様の金融リテラシーの向上を支援します。
③ お客様が「Myポートフォリオ」の適切なメンテナンスを行えるよう定期的な情報提供(12-4-2(※2))を心がけます。
④ 投資未経験の方にはその方の理解度に沿った言葉を選び分かりやすく丁寧な説明を行います。
⑤ 取引頻度や取引コスト等過度と思われるような取引を生じさせないよう、過当勧誘防止のため内部管理体制を強化・監視(※3)を行います。
※1 原則在席対応:原則的に立会時間中にいただいたお電話は担当者が対応します。他のお客様と応対中等の場合は代わりの者が対応する場合があります。
※2 12-4-2:月1回(年12回)の電話連絡、年4回の運用報告(レビュー)、年2回の面談を通した綿密な運用報告と今後の投資相談を行います。
※3 お客様の売買回数やお預かり資産に対する手数料割合について、社内でのモニタリングを行います。一定の水準を超えた場合は、部支店長による面談を通してお客様に状況をご説明し、以降の勧誘可否を確認の上、お客様のご意向に沿った勧誘をいたします。

7. 従業員に対する適切な動機づけの枠組み等

 従業員が「お客様の安心と満足度の向上」を追及するための提案をできる環境を整えるため、以下の項目を実施してまいります。

① 法令遵守(コンプライアンス)体制の一層の充実
・各部支店において、部店長は、お客様の取引状況、損益状況を確認し、一定の基準を超えた場合は各担当の営業員から必要なヒアリングを行います。
・各部支店において、コンプライアンス会議を毎月開催し、議事録を作成の上コンプライアンス部と会議内容を共有し、必要な課題に対し早期の解決を図ります。
・営業員に対しては、研修を通してお客様本位の業務運営の徹底を図ります。

② 提案スキル向上のための研修・勉強会の実施
・営業員の提案スキル向上のため、社内勉強会等営業員のサポート体制を構築します。また、株式の市場環境・経済動向等について定期的に企業調査部等と営業部門で知見を共有し、知識や判断力を高めます。
・上場企業と投資家を結ぶために、株主総会への同行や、企業のIR部門とのミーティング等の機会作りをサポートします。こうした活動を通じて、長期的な企業価値の把握に努めます。
・営業員の金融知識の幅広い拡充に向けAFPの取得を推奨します。

③ FDに基づいたプロセスを重視した営業員の評価体制の構築
 営業員の業績評価は、コンプライアンスの遵守姿勢や訪問・提案等によるプロセスKPI、お預かり資産や新規のお客様とのお取引開始といった非手数料KPI、その上でいただく取引手数料、という3段階で行います。プロセスKPIと非手数料KPIを「FDアクション(お客様本位の業務運営に繋がる行動)」とし、その結果としていただいた取引手数料を評価する仕組みとします。これらを通じて、「お客様の安心と満足度の向上」を追求してまいります。

④ 「株の専門店」としての知識の蓄積とお客様への適時適切な情報提供
 お客様のお預かり資産全体を見据えたポートフォリオ提案への転換を進めていきます。その中で、銘柄の分散や、売買のタイミング、柔軟な現金比率の調整等を通じて、リスクを抑えながら、お預かり資産の増大を目標に置いた提案を行います。そのために営業員の知見や好事例の共有と評価を行うことで、更なる提案内容の向上に努めてまいります。

以上

お客様本位の業務運営を実現するための取組み状況
(自主的KPI※)

預かり資産増大

立花証券は、 “株の専門店”を掲げています。株式運用という変動の大きい商品特性の中で、お客様1人1人の資産が増えることを最大の目的として、「預かり資産増大」をKPIとしてお客様をサポートしていきます。
※KPI(キー・パフォーマンス・インディケーター)とは、取組の見える化促進のための「成果指標」です。

下に掲げる施策を充実させることで、株式運用を行う投資家をサポートし、お客様満足度が高まることを目標として活動して行きます。
立花証券(対面営業)のプロセスKPI:これらに掲げる施策を充実させることで、株式運用を行う投資家をサポートし、お客様満足度が高まることを目標として活動して行きます。

セミナー開催回数と参加者人数

開催数 参加人員
2022年 4回 -
2023年 5回 2,334人
2024年 25回 2,146人

1-12月暦年ベース

主に新春、春、秋に部支店ベースで株式を中心とする投資情報の提供を目的とした講演会を開催

                        

※2022年はWEBセミナーの開催数を記載

投資相談会開催回数と参加者人数

開催数 参加人員
2022年 21回 335人
2023年 63回 557人
2024年 114回 1,035人

1-12月暦年ベース

部支店ベースで沿線エリアに赴き株式運用に関わる投資相談会を随時開催

新規顧客数と紹介率

新規件数 内紹介件数 紹介率
2022年 701件 312件 44.5%
2023年 1,022件 551件 53.9%
2024年 1,153件 490件 42.5%

1-12月暦年ベース

新規件数・紹介率は立花への満足度指標

AFP資格取得率

取得者数 取得比率
2023年3月末 106人 83.5%
2024年3月末 88人 77.9%
2025年3月末 82人 80.4%

※取得者数、取得比率は営業を担当する社員ベース

AFP取得でより良い提案を追求

AFPとは:日本FP(ファイナンシャル・プランナーズ)協会による認定資格。
幅広い金融分野にわたる知識を体系的に習得する資格です。

(2025年4月7日作成)